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「でも決して、想像の子供は生まれない」(アダム) 

2007年06月14日
地球が死滅して150年。木星の衛星エウロパの数人を除いて、滅んだ人類。
唯一の受精卵(イヴ)と数体のロボットを残して。
彼らは最後の望みを凍結した1つの受精卵にたくした。
 
『もうひとつの神話』清水玲子/白泉社/を収録した本は・・・・・・
     白泉社文庫 『天使たちの進化論』 全1巻
     花とゆめコミックス『もうひとつの神話』 全1巻 

 
 
(ロボットの)アダムの妻のイヴは、子供が出来たと仲間たち(ロボット)に伝えるが、
ロボットと人間の間に子供が出来るはずがない。
イヴは想像妊娠だったのだ。
 
 
「ほしい。ほしい。あなたと私の赤ちゃんがほしい。
 そうして本当に体温を上げてしまうまで
 どのくらい彼女はそう願ったんだろう。
 おなかは大きくなる。体温は上がる。
 でも決して、想像の子供は生まれない」(アダム)
 
『もうひとつの神話』清水玲子/白泉社

 
 
それぞれの愛が痛かった。
何も知らない?イヴも。
イヴを守るためだけに存在し、イヴの幸せのみを望むロボットたちも。
本当にイヴは何も知らなかったのか?
私には気付かないフリをしていただけのように思えるのだ。
 
 
「母マリアは精霊によりみごもり、キリストを生んだ」
  
『もうひとつの神話』清水玲子/白泉社

 
 
でも、イヴは―――。
  
ひたすらにイヴを守り、自分たちを犠牲にしたロボットたち。
本当にそれが「イヴ」の幸せなの?
 
何も知らないことのほうが、本当はずっと残酷ではないのか?
イヴは本当に気付かなかったの? 何も?
 
私には、この物語は、やさしさ以上に切なく、残酷に思えるのだ。
何も知らないように守られて。
もしかして、本当はイヴが一番強く、やさしかったのではないのか?
 
愛しているからこそ、その選択を受け入れたのではないのか?
 
 
「・・・・・・愛する人は、今も昔もあなただけ」(イヴ)
 
『もうひとつの神話』清水玲子/白泉社

 
 
「アダム」を思い続けているのではないのか?
イヴが一番、やさしかったのではないのか?
 
多分この話を単独で読んだだけでは、
そんな感想は浮かばなかったと思う。
昔はそういう感想ではなかっただろうし。
でもその後であった、さまざまな清水作品を読んで。
 
時を追うごとに、
清水玲子の描く自己犠牲は、
ただ美しく切ないものから、残酷なやさしさに変わっていった気がする。
 
残されたものの方が、ずっとつらいのだと。
 
 
『もうひとつの神話』を収録したコミックスは・・・・
    白泉社文庫 『天使たちの進化論』 全1巻/清水玲子・・・の本の紹介。
    花とゆめコミックス『もうひとつの神話』 全1巻/清水玲子・・・の本の紹介。
    
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清水玲子『短編』 | Comments(0) | Trackback(0)
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